Xotic BB Preampとは?名機サクッと解説

「ブースターとオーバードライブ、結局どっちを買えばいいの?」と迷ったことがある方に、まず触ってほしいのがXotic BB Preamp(エキゾチック ビービー プリアンプ)です。BB Preampはオーバードライブ(真空管アンプが自然に歪んだような温かみのある歪み)に分類されますが、その実態は「ゲインを絞ればクリーンブースト、上げればしっかりした歪み」まで1台でこなす、ブースター寄りのプリアンプ的ドライブです。

最大+30dBという大きなブースト量、ローノイズで広いゲインレンジ、そしてコンパクトながらTreble/Bassの2バンドEQを積んでいるのが個性。クリーンアンプに上品な太さを足したいブルース/ポップス系から、歪みアンプを押してリードを前に出したいロック系まで幅広く対応します。アンディ・ティモンズの歌うようなリードトーンの相棒として知られ、「迷ったら間違いない一台」としてプロのペダルボードに居座り続けている、まさに定番ブティックペダルです。

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Xotic BB Preampの主な特徴とスペック

項目内容
エフェクトの種類オーバードライブ/ブースター(クリーンブーストから本格的な歪みまでをカバーするプリアンプ的ドライブ)。回路はTube Screamer系をベースにしつつ独自の2バンドEQを加えた設計
コントロールVolume(出力レベル)、Gain(歪みの量)、Treble(高音域の増減)、Bass(低音域の増減)の4ノブ。Treble/BassはアクティブEQで±15dBのブースト/カットが可能
ブースト量最大+30dB。Gainを絞った状態でも大きな音量を稼げるため、クリーンブースト用途でも十分なヘッドルームを持つ
電源9V〜18V DC対応(9Vバッテリー収納部あり/センターマイナス)。消費電流は9V時8mA、18V時11mAと省電力。電圧を18Vにするとヘッドルームが広がり、より引き締まった音になる
入出力端子モノラル1系統(インプット・アウトプット各1)。ACアダプター用ジャックは筐体上部にマウントされている
バイパス方式トゥルーバイパス(エフェクターをオフにしたとき、内部回路を完全に迂回して信号を通す方式。音質の劣化が少なく、オフ時の原音をそのまま残せる)
筐体サイズ約110(奥行) × 60(幅) × 50(高さ) mm(標準的なコンパクトペダルサイズ)
重量約270g
製造国 / ブランドXotic(米国カリフォルニア州ロサンゼルス拠点のブランド。製造はUSA)
発売年2005年に登場。以降ロングセラーとして生産が続く現行品(V1.5などの改良版あり)

Xotic BB Preampはどんな音がするのか

BB Preampのサウンドを一言で表すなら「上品でハリのある、芯の太いドライブ」です。

全体的なキャラクターとして、同じくTube Screamer系をルーツに持つIbanez TS9などと比べると、ノイズが少なくゲインレンジが広いのが大きな違いです。TS9が中音域をグッと持ち上げる(ミッドハンプ)のに対し、BB Preampは2バンドEQで低域・高域を自分で足し引きできるため、こもらず開けた、レンジの広いトーンを作りやすいのが持ち味です。コンプ感(音の粒がそろって滑らかになる感覚)は適度にあり、弾いていて気持ちのいいサスティンが得られます。

歪みの質感とゲイン量は、Gainをゼロ付近にすればほぼ歪まないクリーンブースト、12時あたりで軽いクランチ、フルにすればロックのバッキングをこなせるしっかりした歪みまで到達します。激しいハイゲインメタルの飽和した歪みまでは届きませんが、「クリーン〜中程度の歪み」のレンジを1台で滑らかにカバーできるのが強みです。

周波数帯域はTreble/BassのアクティブEQが効きます。Bassを上げれば芯のある太さが、Trebleを上げればキラッとした抜けが出ます。±15dBと変化幅が大きいので、合わせるアンプやギターに応じて積極的に追い込めます。

ダイナミクスへの追従性も優秀で、ピッキングの強弱がそのままニュアンスに出ます。ギターのボリュームを絞るとスッとクリーン寄りになり、上げれば歪みが戻るという反応の素直さは、プリアンプ的ドライブならではの心地よさです。Fender系のクリーンアンプにつなぐと、その「上品に太らせる」キャラクターが特に分かりやすく感じられます。

Xotic BB Preampのエピソード

BB Preampは2005年に登場し、ブティックペダル(少量生産の高品位なペダル)ブームのなかで一気に評価を高めた一台です。Xoticはカリフォルニア州ロサンゼルスを拠点とするブランドで、RC Booster(クリーンブースター)やAC Booster(オーバードライブ)といった「Booster三兄弟」的なラインで知られていますが、なかでもBB Preampは「ブースト+ドライブの万能機」として最も広く支持されました。

このペダルを語るうえで欠かせないのがアンディ・ティモンズ(Andy Timmons)です。テクニカルかつ歌心あふれるインストゥルメンタル・ロックで知られる彼にとって、BB Preampは長年ペダルボードに居続ける定番オーバードライブで、あの伸びやかでメロディアスなリードトーンの核を担ってきました。両者の結びつきは深く、2017年にはXoticからAndy Timmonsシグネチャー仕様のBB Preamp(オリジナル回路を再現した限定モデル)が発表されています。

ジャンルを問わず使われているのもBB Preampの特徴で、ブラックメタルバンドBehemothのネルガル(Nergal)のように、ヘヴィな音楽性のギタリストの機材にも名を連ねています。クリーンブーストからしっかりした歪みまでこなす守備範囲の広さが、こうした幅広い使い手を生んでいると言えます。

Xotic BB Preampの使い方と信号チェーンでの位置づけ

信号チェーン(シグナルチェーン: ギターからアンプまでの音の経路)での基本的な位置は、ギター側の前段です。コンプレッサーやワウの後、ディレイ・リバーブといった空間系の前に置くのが定番。歪みアンプをブーストする場合はアンプのインプットに直接つなぎます。

典型的なセッティング例:

  • クリーンブースト用途: Gain = 0〜9時、Volume = 1〜3時、Treble/Bass = 12時。歪みはほぼ足さず、音量と前に出る感じだけを稼ぐ。ソロで踏むブースターとして。
  • 単体オーバードライブ用途: Gain = 12〜3時、Volume = 12時前後、Bass = 1時・Treble = 12時。クリーンアンプにつないで上品なクランチ〜ロックトーンを作る。
  • アンプブースター用途: Gain = 9〜11時(低め)、Volume = 1〜3時(高め)。歪んでいるアンプの前に置き、リードをタイトに前へ押し出す。

アンプとの組み合わせでは、Fender系のクリーンアンプに単体でつなぎ、2バンドEQで太さと抜けを整える使い方が王道です。Marshall系の歪みチャンネルをブーストする場合は、Bassを足しすぎると低域がもたつきやすいので、Bassは控えめにしてVolumeで押すとタイトにまとまります。18V電源で駆動するとヘッドルームが広がり、さらに引き締まった音になります。

重ね使いでは、Xotic RC Boosterのようなクリーンブースターを後段に置いてソロでさらに音量を稼ぐパターンや、BB Preampを軽めにかけたうえで別のオーバードライブを重ねる「ゲインスタッキング(歪みの段重ね)」も定番です。

Xotic BB Preampと相性の良い機材

相性の良いギターアンプ

アンプ出力 / 特徴BB Preampとの組み合わせが人気な理由
Fender Twin Reverb / Deluxe Reverb22〜85W / クリーンで中域が控えめBB Preampを単体ドライブとして使う相手として定番。2バンドEQで太さと抜けを足し、上品なクランチが作れる
Marshall系(JCM800など)50〜100W / ブリティッシュな中域と歪み歪みチャンネルの前段に置いてリードをブースト。ミッドが過剰に膨らまないため飽和しにくく、タイトに前へ出せる
Vox AC30系30W / チャイミーで煌びやかな中高域BB Preampの広いレンジとアクティブEQが、AC30の煌びやかさを生かしつつ芯を足す方向に働く

相性の良いエフェクター

エフェクター役割この組み合わせが定番な理由
Xotic RC Boosterクリーンブースト同ブランドの相棒的存在。BB Preampの後段に置いてソロで音量だけを底上げする使い方が人気
コンプレッサー(Xotic SP Compressor等)ダイナミクスを揃えるコンプ → BB Preamp の順で整えた信号を押せる。リードの粒立ちとサスティンが安定する
ディレイ・リバーブ空間的な広がりを足すBB Preamp → 空間系 の順が基本。歪みを作った後段で広げることで音像が濁らない

Xotic BB Preampの兄弟機・派生機

モデル位置づけBB Preampとの違い
BB Preamp MB中域ブースト搭載版標準の4ノブに加えてMB(ミッドブースト)コントロールを内部または外部に備え、中域を持ち上げてさらに前に出せる。ソロ向きの押し出しが強い
BB Plus Preamp2チャンネル版BBチャンネルに加えて独立したブーストチャンネルを搭載。ブースト+ドライブを1台で切り替え・併用できる上位機
Bass BB Preampベース用ベース向けに帯域とレンジを最適化したバージョン。原音を生かしつつブースト/オーバードライブを足せる
BB Preamp Andy Timmonsシグネチャー限定版2017年発表。2005年のオリジナル回路を再現した限定モデルで、アンディ・ティモンズ仕様の外装をまとう
AC Booster / RC Booster兄弟ブースター厳密な派生ではないが同シリーズの仲間。AC Boosterはより歪み寄り、RC Boosterはクリーンブースト寄りという住み分け

Xotic BB Preampのモデリング・シミュレーション

エフェクターのモデリングとは、実機の回路や音響特性をデジタル技術で再現したもので、実機を用意しなくてもそのサウンドを手軽に使えるようにした機能です。BB Preampはブティックドライブの定番として、一部のモデラーに収録されています。一方で、各社が必ず収録しているわけではない点には注意が必要です。

Xotic BB PreampのQUAD CORTEXにおけるモデリング

種別モデル名元となった実機
EffectExotic BBXotic Effects BB Preamp

QUAD CORTEX(Neural DSP)のGuitar effectsセクションには、BB Preampを再現したモデルが「Exotic BB」として収録されています。商標上の理由から「Exotic」というもじり名称が使われていますが、実機同様のクリーンブースト〜オーバードライブが得られます。

Xotic BB PreampのFractal Audio Systemsにおけるモデリング

種別モデル名元となった実機
EffectBB PreXotic Effects BB Preamp

Fractal Audio機器(Axe-FX、FM9、FM3等)のDriveブロックには、BB Preampをモデリングした「BB Pre」が収録されています。Fractal AudioのドライブモデルガイドおよびFractal Audioフォーラムでも、Xotic BB Preampベースであることが明示されています。

Xotic BB PreampのLINE6 HELIXにおけるモデリング

種別モデル名元となった実機
Effect現行ラインナップには収録されていません

LINE6 HELIXのドライブ/ディストーション・モデルには、Xotic BB Preampをベースにしたモデルは現行ラインナップに収録されていません。HELIXにはXotic系のモデルとして「Kinky Boost」がありますが、これはXotic EP Booster(テープエコーのプリアンプを模したブースター)がベースであり、BB Preampとは別物です。混同しないよう注意してください。

Xotic BB PreampのKemperにおけるモデリング

種別モデル名元となった実機
EffectKemperのストンプエフェクトには収録されていません

Kemperのストンプエフェクトには、Xotic BB Preampを直接モデリングしたものは収録されていません。旧来から収録されている「Green Scream」はIbanez Tube Screamer TS-808(Maxon OD808)を直接モデリングしたもので、BB PreampがTS系の回路をルーツに持つとはいえ、BB Preampそのものではありません。また、OS 8.0以降の統合型オーバードライブ「Kemper Drive」が参考にしたペダル群(TS808・TS9・Klon Centaur・Boss OD-1/SD-1・Timmy・Marshall Bluesbreaker MK1等)にも、Xotic BB Preampは含まれていません。

Xotic BB Preampの使用アーティスト

海外のアーティスト

アーティスト音楽スタイル使用・補足
Andy Timmonsインストゥルメンタル・ロックBB Preampの代表的な使い手。歌うようなリードトーンの核として長年愛用。2017年にシグネチャー限定モデルも発表された
Nergal(Behemoth)ブラックメタル / デスメタル使用機材としてBB Preampが挙げられている。ヘヴィな音楽性のギタリストにも使われている一例

日本のアーティスト

現時点で信頼できる情報源からの裏付けが取れていないため記載を省略します。

Xotic BB Preampの特徴と注意点

特徴

  • クリーンブーストから歪みまで1台でこなす守備範囲の広さ:Gainを絞れば最大+30dBのクリーンブースト、上げればしっかりしたオーバードライブと、役割を切り替えやすい。「これ1台でブーストもドライブも済む」という声が多い。
  • コンパクトながら2バンドのアクティブEQを搭載:Treble/Bassが±15dBと変化幅が大きく、合わせるアンプやギターに応じて積極的に音作りできる。TS系の固定的なEQに物足りなさを感じる人に評価されている。
  • ローノイズで広いゲインレンジ:ゲインを上げてもノイズが乗りにくく、クリーン寄りから歪みまで滑らかにつながる。プリアンプ的に常時オンで使うユーザーも多い。
  • 上品で芯のあるトーン:適度なコンプ感と太さがあり、「クリーンアンプが一段グレードアップする」と感じるという声が定番。歌うようなサスティンがリードに向く。

注意点

  • 現代的なハイゲインメタルには届かない:あくまでオーバードライブ/ブースターであり、BB Preamp単体で激しく飽和した歪みは作れない。ハイゲインを狙うならアンプやほかの歪みとの併用が前提。
  • TS系をルーツに持つため、唯一無二の個性ではないという見方もある:回路の出自がTube Screamer系のため、「TS系の上質な発展形」と捉えるユーザーもいる。明確に異質なキャラを求める人には穏当に聞こえることがある。
  • 2バンドEQゆえに音作りの自由度が高い反面、追い込みが必要:EQの効きが大きいぶん、Bassを上げすぎると低域がもたつくなど、ノブを煮詰める手間がある。踏めば即決まるタイプではない。
  • ブティック価格帯:定番の安価なオーバードライブと比べると価格は高め。コストパフォーマンス重視で最初の1台を探す人には割高に映ることがある。

まとめ

Xotic BB Preampは、「最大+30dBのクリーンブースト」「2バンドのアクティブEQ」「ローノイズで広いゲインレンジ」を兼ね備えた、ブースト+ドライブの万能機です。クリーンアンプを上品に太らせるドライブとしても、歪みアンプを押すブースターとしても水準以上にこなし、2005年の登場以来プロのペダルボードに居続けている事実がその信頼性を物語っています。

こんな演奏をしたい方に特におすすめです。

  • クリーンアンプに上品な太さとサスティンを足して、歌うようなリードを弾きたい方(アンディ・ティモンズ系のトーンが好きな方)
  • ブースターとオーバードライブを1台で兼ねたい方
  • TS系をベースにしつつ、2バンドEQでもっと自由に音作りしたい方
  • ローノイズで質の高い、長く使えるブティックドライブを探している方

派手に歪ませる一台ではありませんが、ボードに置いておくと「踏めば音がワンランク上がる」安心感があります。ブースターか歪みかで迷っているなら、その両方をカバーできるBB Preampを、ぜひ自分の足で確かめてみてください。

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この記事を書いた人

趣味はギター、カメラ、料理。
好きなものはメタルコア、ビール、CAPCOM、FROMSOFTWARE。

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